“ATELIER SESSION – HEUGN”

21AW HOMMEで取り扱う様々なブランド。
その中で、顧客に対し真摯に取り組み、
変化と進化を続ける
国内の気鋭達へ取材を行った。

繊細さ、奥深さ、
そしてデザイナー小山氏の思う勘所の良さとは?
(前編/後編二部構成)

「優」と「元」の間 前編

「時代感と世代的な部分が、大きく反映されていると思います。 ヨーロッパの文化が好きで、ドレスなどのこなしは参考にしていましたね。」

そう語るのは、デザイナーの小山氏。

某セレクトショップのメンズデザイナーとして勤務したのち、2018年デザイン会社 IDEAS Ltdを設立。2019年より自身のブランド「HEUGN(ユーゲン)」を立ち上げ、 仕立ての良さやシンプルかつ上質なアイテムとものづくりで 業界各所、洋服を愛する玄人たちも魅了している。

「ブランドには様々な良さがあると思いますが、 デニムがかっこいい、コートがかっこいい、 シャツがかっこいい、それって単品の美しさであって、 本来伝えたいのって、それらをひっくるめた ”スタイル”であるべきだと思ってます。面で魅せるメッセージというか。 それが、どこを捉えて、どこに収めるのか。 勘所の合わせ方というか、絶妙な位置を探りたいし、届けたいんです。」

オンラインストアやSNSなど、時代の移り変わりとともに 売り方と買い方の変化が目まぐるしい昨今。

今回のインタビューで小山氏が語った勘所という言葉は、 線引きが無い曖昧な言葉であると同時に、 個人の裁量に委ねられた、無限の回答数があるもの。

そして、カスタマーへ向けた「探り」と「答え合わせ」のバランス感の良さこそが、 小山氏本人の魅力であると感じた。

だからこそ、HEUGNの位置づけや、スタイルから感じ取れるメッセージに、 多くの人が共感しているのも事実であり、一言一言に研ぎ澄まされたものを感じるのであろう。

ブランド名のHEUGNも、日本古来から伝わる「幽玄」(物事の趣が奥深くはかりしれないこと)の意に由来しているが、その繊細で心地よいブランドロゴやアイディアが生み出されるアトリエが醸し出す空気は、温度そのままにHEUGNの洋服たちに吸い込まれ、 さらには手に取ったカスタマーへすっと馴染んでいく。

「ちょっと粗く言うと、着用してなんぼの服であること。 着て歩いたときに、あ、いいなと思えるのって洋服の本質じゃないですか。 洋服屋さんて、お客様に対しての誂え屋さんだし、 一番かっこよくお見立てするのがプロでありマナー。 だけど、洋服に対してどう携わるのかって、今の時代様々ですよね。 無駄なものはいらないし、本質的なことしか残らないのは、みんな分かっているんです。

だからこそ、人が幸せにさせたり、自分達がワクワクしないことって、結果誰にも響かないし、成果に結びつかなかったりするんじゃないかなと思うんです。

大げさかもしれないけれど、 どうしたらみんなが遊べるか、とか楽しめるかなど、向かう方向を洋服を通してすり合わせていきたいんです。

最終的に、HEUGNを通して届けたいものって、服作りじゃないのかもしれません(笑)」

優しい言葉の中にも強い意志と力が籠っている。 そして、その向こう側にある洋服元来のもつメッセージ性を、 小山氏は微笑みながら語ってくれた。
(後編へ続く・・・)

2021年11月11日 Category : EVENTPAGE TOP