軍パンと言われて大抵の人が思い浮かべるのがカーゴパンツかと思います。
しかし軍パンを広義でとらえると軍隊で使用されるパンツを指すので、必ずしもカーゴ型とは限りません。
ミリタリーモノが好きな方はユーティリティとかファティーグとか名前が付いたものを見かけた経験があるのではないでしょうか?
それらの違いは何なのでしょう?
ユーティリティ:Utility=『役に立つもの』という意味であり、割と多目的な意味を持って使われます。
パンツで言えば、軍隊に限らず便利に使えるパンツから転じて”作業着”となります。
ファティーグ :Fatigue=軍事におけるという意味を含んだ作業服、野戦服となります。
つまりどちらも作業着という意味になりますが、ファティーグとつくと軍しばりということで緑や迷彩のものを指すことが多いかもしれません。
さて、今回ご紹介するのはベイカーパンツです。
ベイカーパンツという名称は通称であり、アメリカ軍における本来の名称は OG107ユーティリティーパンツといいます。
OGとはオリーブグリーンの事で107とはミルスペック(アメリカ軍が定める軍が行う作業、ミッションに耐えうる品質を定めた規格の総称)上のカラー番号を指します。
つまり107番色のオリーブグリーンの作業ズボンということになります。
ではなぜそれがベイカーパンツなのでしょうか?
パン屋が履いていたパンツを軍隊に採用した説。
パッチポケットが食パンの形をしているから説など色々な説があり正解がわからないのが現状です。
とりあえずパッチポケットは食パンには見えないと思いますが・・・ちなみにアメリカではベイカーパンツという名称は通用しないみたいなので和製英語かもしれません。
いわゆる野戦服であったカーゴパンツに対しこのベイカーパンツつまりユーティリティパンツというのは基礎訓練や工場での作業など幅広く活用されていました。
その為どんなシーンでも履きやすい完成されたデザインと言えるのではないでしょうか。
我々WILD LIFE TAILORでは完成されたベイカーパンツの本格的なデティールは継承しつつ、ドレスにもカジュアル にもボーダーレスに対応でき、土臭くなり過ぎないシンプルで長く愛用して頂ける1着に仕上げました。
年代によってシルエットが全然違いますが、今回は希少な50年代後期モデルをベースにテーパードをあまり入れていない”中太ストレートシルエット”にしています。
カジュアルな着こなしはもちろん、テーラーが作るベイ カーパンツということで、ジャケットとの合わせも決まりやすいことを意識したシルエットに拘っています。
また50年代のベイカーを再現し、アウトシームとインシームは頑丈なWステッチの巻き縫いにしています。
60年代後半以降は縫製技術の向上と不安定な社会情勢から、手間を省きインターロックミシンでの簡略化された仕様になります。
それは一見、大した違いが無いように思いますが、履き込み、アタリが出るころには見た目の恰好良さに大きな差が出ます。
それ以外にも立体感のあるベルトループも長く穿き込んだ時のアジの出具合が”濃い”コダワリのディティールです。
もちろんボタンも尿素ボタンをチョイス、脱抜かりはありません。
ベイカーパンツといえばもちろんバックサテン生地です。
ヨコ糸に異なる太さのムラ糸を使用することでメリハリがあるヴィンテージライクなムラ感を表現しております。
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div>また仕上がった製品に加工を施してるので、購入当初からワードローブに馴染み、穿き込むほどに更に経年変化 も楽しめます。
もちろんコダワリのリプロダクトをつくったわけではありません。
ヴィンテージに対してのオマージュをありったけのコダワリを込めて”今着たい服”をつくりました。
上品なカジュアルニットで合わせても、ジャケットで合わせても素敵にまとまります。
是非店頭でお試しください。